第6話:失敗と“師匠”との運命の出会い
自分の専門分野を突き詰めていくと、時に「全部、自分でやらなければ」という思い込みに囚われてしまうことがあります。
今日の物語は、私自身が大きな情熱だけで突っ走り、手痛い失敗を経験したお話。
そして、その失敗の先にあった、私の進むべき道を照らしてくれた“師匠”との、運命的な出会いについてです。
実はその前…
地方でサロンを運営していた時代に、私はなんとインドへ渡ってオリジナルのヘナを探していた時期がありました。たまたまインドに詳しい知人がいたこともあり、ちょっと勢いにまかせて現地まで。
そこで出会った関係者とノリで契約を交わし、「これで自分ブランドのヘナがつくれる!」とワクワクしていたんです。ところが…
届いたのは、なんと粗悪品。
染まりも悪く、独特のツンとした匂い。
見た瞬間に、これはハズレだと確信しました。
しかも、必死にかき集めた貯金を使って仕入れた大量の在庫。どうにも使えず、泣く泣くすべて処分するしかありませんでした。
「もう…ヘナなんて、やめよう!」
そう思って、埼玉で再スタートしたはずが、『ヘナを教えてました』と、つい言ってしまったことで、知人たちからの「ヘナ体験したい!」という声がどんどん広がっていく、しかし商品がない、と焦る日々;;
これから、どうしたらいいのか悩んでいたところ..
思い切って、国内にあるヘナ製造元5社へ、取引き希望の問い合わせたところ、もちろん”個人”では相手にしてくれません。ところが、1社だけ、アポがとれたんです。その1社は、日本でヘナの輸入と製造に携わり、タイミングよく社長と面会できることになりました。
その社長は、インドの現地事情や品質管理に非常に詳しく、『日本にヘナを広めた第一人者』といってもいい方でした。
私のサロン時代の活動や情熱を伝えると、その方はこう言ってくれました。
「あんた、美容師でもないのに、よくヘナのこと知っているな~!それなら、特別にうちのプロ向けのサンプルを渡すから、まずは試してみなさい」そして届いたのは、通常は美容院関係者にしか渡さない製品でした。私の情熱を感じ取ってくれたこその、特別なご厚意でした。
さらに言われたのは、こうでした。
「商品の安定供給は私たちに任せなさい。あなたみたいな素人がインドに行っても、間違いなくだまされるだけだぞ(笑)。日本でヘナの使い方を本当に理解している人は、まだほんの一握り。美容院もヘナのことはよくわかってないから。だからこそ、あなたは”お客様のサポート”に専念しなさい。」
その言葉を聞いたとき、心の奥にスイッチが入るのを感じました。
「よし、もう一度ここから、本気でやっていこう!」
今でもその方は、私にとって”師匠”のような存在。品質の見極め方はもちろん、業界の裏話やインド事情など、一般では知り得ないようなことを、この15年間、惜しみなく情報提供をしてくれます。
冷静に考えてみても、これはとても腑に落ちる決断でした。私は”使い手”として伝える役目に専念し、商品の仕入れは信頼できるプロと組む。これが、私にとってのベストな形だと確信したのです。

はじめて届いたサンプル品(2012年):「この品質ならイケる!」という手応えを感じたあの瞬間は今でも鮮明に覚えています🍃
「餅は餅屋」
この出会いと失敗を通して、私は自分の「本当の役割」に気づきました。
それは、最高の素材を届けるプロと組み、私自身は、お客様一人ひとりの心に寄り添う“使い手”として、その価値を伝えることに専念すること。
この確固たる決意が、のちに株式会社Naturalicを設立し、私の使命を形にしていく、大きな原動力となるのです。

