【第2話】「てんとう虫が気持ち悪い」──その“違和感”が教えてくれること
今回は、感情の揺れ=「違和感」がどんなふうに“心のクセ”につながっているのか、
ひとつのシンプルなエピソードを通じてご紹介します。
■晴れた日、公園で起きた出来事
ある晴れた日の午後。
広々とした公園の芝生の上で、男女が並んでくつろいでいました。
風は心地よく、空は高く、鳥の声が聞こえる──
まさに、心が穏やかで「快」の状態です。
するとそこに、ふわりと飛んできた二匹のてんとう虫が、二人の足元に同時に止まりました。

■同じ出来事、まったく違う反応
女性は、それを見て「かわいいなぁ」と微笑むだけ。
そのまま、心の状態は穏やかで「快」のままです。
ところが男性は、ふと顔をしかめました。
てんとう虫を見た瞬間、背筋にゾワッとした不快感が走ったのです。
実は男性は、昔から虫がとても苦手。
てんとう虫であっても、「虫=怖い、気持ち悪い」という“心のクセ”が無意識のうちに働いたのです。
■違和感=「あなただけの心のセンサー」
ここで注目してほしいのは、
てんとう虫そのものは、何も悪くないということ。
同じ状況で、誰かは「かわいい」と感じ、誰かは「気持ち悪い」と感じる。
この違いは、過去の経験や記憶、育った環境などからつくられた、
“心のクセ”や“思い込み”という無意識のフィルターが原因なんです。
つまり、「不快に感じる」こと自体に、正解・不正解はありません。
むしろそれは、“あなた自身の心が教えてくれるサイン”なんです。
■てんとう虫=クライアントの“相談テーマ”
では、ここから少し現場の話に戻してみましょう。
あなたの生徒さんやクライアントさんが、人生相談に来たとき──
「私、実はてんとう虫が苦手で…」なんて言ってくることは、まずありませんよね(笑)
彼らが語るのは、たとえばこんな悩みです。
「子どもが部屋を散らかすと、どうしてもイライラしてしまって…」
でも、その怒りの奥をたどっていくと、
実は「空間の乱れに強く反応してしまうクセ」があったり、
「自分の完璧主義」が無意識に働いていたりします。
この“怒り”は、てんとう虫を見たときの「ゾワッ」に似ていませんか?
■言葉にならない“不快”の正体を見つける
相談に来た方本人も、自分のその反応の「本当の理由」には気づいていません。
だからこそ、話を聞く側の先生が
「なぜそこまで怒っているのか分からない」
「この人、本当にそこが問題なのかな…?」と、
もやもやを感じてしまうのも、無理はないんです。
でも実は、それは“てんとう虫”の話なんです。
本人が語らない場所に、本当のテーマがある──
そう捉えてみると、セッションの見え方がガラッと変わってきます。
■違和感を“排除”せず、“発見”のきっかけに
小さな違和感や不快な感情を、「ネガティブなもの」と決めつけていませんか?
それは、「あなたにしか気づけない、心のクセ」の原石。
これを「不快なもの」として排除するのではなく、
“発見の入り口”として丁寧に観察していく。
それが、本メソッドの基本的なスタンスです。

